原宏一
握る男
Lantana-kapです。
昔はというか、
今もよく言われるのは
「信念を持て」という言葉ですが、
私には信念というものはなくて、
いつも返答に困っていますが、
信念をもたない事が私の信念かも知れませんし、
自覚がなく信念を持っているのかもなあ
とも思う、今日この頃。
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この小説「握る男」は
本当におもしろい作品でした。
寿司屋で働く後輩が、
瞬く間に技術を習得し、
それだけでなく外食チェーンを
どんどん手中に収めていくという話です。
意味が分からないと思いますが、
この策略家、
徳武光一郎は誰も考えつかない発想や、
非人道的な方法で次々と店を大きくしていきます。
そして彼らの行き着く先にまっているものは・・・・
という作品。
まず先輩後輩の立場が入れ替わります。
そして徳武光一郎は
独自の経営理念を
わかりやすく説いていきます。
やり方はどうあれ、
このとてつもない実行力を、
評価せずにはいられないです。
おわかりでしょうが、
「握る男」の意味が読み進めるうちに
明瞭になってきます。
著者のことは存じ上げなかったのですが、
おそらくタイトル買いだったと思います。
良作出会えて幸せです。
信念を持つと言うことは
こういうことだと知らされます。
中途半端に信念を掲げて
少しでも揺らぐ信念は、
成熟しきっていない信念か、
それは信念ではないのではないでしょうか。
信念を簡単に使ってはいけない言葉だと
痛感させられた一冊です。
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